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2006年2月16日 (木)

デンマーク「ムハンマドの12の顔」に対するフランスのルモンド紙の論評

2月16日:コーランを独自に解釈したことで死刑のファトワを受けた作家で、「悪魔の詩」の著者サルマン・ルシュディ氏の問題ほどではないが、波紋は広がり、アラブ諸国は、作者を強く処罰するようデンマークに要求した。作者が罰せられなかったのは幸いだった。

 風刺画のいくつかがイスラム教とテロを結びつけたのは、不当であり、無礼である。さらに問題にされたのは、ムハンマドを描くこと自体が禁忌だということ。

 世界人権宣言を批准した民主主義社会においては、唯一の価値ある原則は、人権を尊重した上での表現の自由だ。

 宗教とは思想の体系であり、精神を形作るものであり、尊重すべき信仰ではあるが、自由に分析し、批判し、笑い物にすることができる対象でもある。政治思想もしかり。フランスの世俗性は、宗教の中立と寛容を前提としており、宗教と、それを信じる人々を区別する必要がある。後者は、帰属する宗教を理由にあらゆる侮辱的な言葉や差別から守られなければならない。

 表現の自由は、人種差別、反ユダヤ主義、性差別や同性愛差別に関する場合と同様、宗教においても制約がある。その制約は、法と司法によって決められるものだ。

 13人の男女がエロティックな姿態でダビンチの「最後の晩餐」を模した広告を作ったが、これはキリスト教徒を傷つけるものであり、裁判所が掲示を差し止めた。

 イスラム教徒は、敵意がこもったムハンマドの絵に衝撃をうけたかもしれない。しかし、民主主義社会は、人権が踏みにじられる危険を冒してまで、言論を取り締まる警察を置くことはできない。

C先生:全体的なトーンに同意はできるものの、例示の趣旨が良く分からない。エロティックな最後の晩餐は差し止めたが、それはキリスト教徒を傷つけるものだったからだ、としている。としたら、ムハンマドの風刺画は、イスラム教徒を傷つけるものだった、と言えるだろう。デンマークの司法は、その風刺画を差し止めるべきだった、という結論にはならないのか。それとも、この評論そのものも、そういう趣旨なのか。素直に読むと、イスラム教徒には寛容性が不足している、という主張のように読めてしまうのだが。

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