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2006年2月10日 (金)

日本は格差社会か Yes

 大竹文雄大阪大学教授:「格差社会だ」。

 ジニ係数を世帯主の年齢階級別で比べると79年以降の20年間で余り変わっていない。つまり、同じ年齢に達したときの格差は、前の世代と新しい世代とで変わっていないことになる。

 だが、日本全体のジニ係数をみると、世帯ベースでみた課税前の所得の格差は80年を底に拡大傾向にある。この理由は、高齢化で世帯主の年齢階級が上がっていることでほぼ説明できる。

 もっとも人口の多い年齢階級は、84年は30歳代後半だったのが、04年には50歳代後半に移った。日本は30歳代までは余り所得格差がなく、年をとるにつれて格差が表れる社会構造だ。どの国にもこうした傾向があるが、日本はその度合いが大きい。ここに高齢化が加わったために、ほかの国に比べて速い速度で全体の格差が拡大している。

 所得税の累進度が緩和され、相続税率も下げられるなど、税による所得の再分配効果が弱体化したのも一因だ。日本はOECD諸国の中でも珍しく、再分配後の可処分所得ベースの格差が拡大している。

 04年の全国消費実態調査でも、20歳だけは所得格差が広がっている。すなわち、21世紀になって、若年層で学歴間の賃金格差が拡大傾向にあるのも気にかかる。技術革新で高学歴者に仕事が集中する。

 政府は、スタート地点が違う人が多いことを認識するとともに、相続税率の引き上げをはじめ、スタート地点を揃えること、また、公的な教育環境の充実が重要になる。

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コメント

本当にそうですね、確か私の年代では国立大学の授業料が9000円/年で私立の理工系では20万円/年ぐらいだったと記憶しています。
実に20倍程度の差があったものが、現在では3倍程度なのでは思います。
それだけ公立校での負担が大きくなっている。
もちろん、奨学金制度等はかなり整っては来ていますが、どうもそれ以前で篩われてしまうような社会情勢になって来ているようにおもう。

投稿: プレ隠居オヤジ | 2006年2月13日 (月) 10時13分

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