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2006年2月 6日 (月)

中村氏の容リ法改正論説

 朝日新聞の「私の視点」に容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク事務局次長の中村秀次氏が投稿している。

 今回の容リ法改正の議論が、「リサイクル費用を誰が負担するか」の押し付け合いに終始した、と評価している。その結果、事業者側の一人勝ちに終わった。自治体、消費者は、結果的に負担増だけになった。

 レジ袋の有料化で、消費者は750億円を余分に支払い、市町村も今後のプラスチックのリサイクルが増えることで150億円の支出増。それに対して、事業者はレジ袋などの負担が700億円程度減るだろう。

 拡大生産者責任は、事業者が商品の生産・販売段階だけでなく、回収やリサイクルまで責任を持つことで、ごみの発生抑制が進む考え方だと定義しており、その重要性を主張している。

 経団連の自主行動計画を一定の数値目標を伴う法的な義務とすべきだと主張すると同時に、数年後にその効果を検証し、「成果が薄ければ、拡大生産者責任の徹底を図る」との付則を付けるべきだ、と述べている。

C先生:昔の容器のLCAを一緒に検討した中村氏である。確かに今回の容リ法を事業者の一人勝ちだと評価するのは正しいだろう。自治体には、数10億円しか払われないからである。ただ、事業者が支払おうが、市町村が支払おうが、あるいは、消費者が支払おうが、実は、もともとは誰の金か、と言えば、それは消費者の金である。どんなシステムになったとしても、商品に支払った金額が事業者に渡り、住民税として支払った税金が市町村に渡って、そして、リサイクル費用として負担されるに過ぎない。その意味では、消費者が意識を変えることが最善で、レジ袋を有料化すれば、消費者はレジ袋を使わなくなる。その他の容器包装についても、できるだけ消費者が直接負担するシステムが最善であるようも思える。例えば、容器包装だけ別に回収して、その使用量に比例した金額を消費者が負担する。ただし、これは実行が大変すぎるし、不法投棄が増えるだけかもしれない。

 もしも、事業者に負担をさせるのであれば、以前から主張しているように、容器・包装が作られた段階で行政が負担金を決めて徴収することが最善である。ただし、材料メーカーは、価格決定に関しては弱い立場なので、負担金が本当に上乗せできるかどうか、という問題は残る。

 いずれにしても、今回の容リ法改正は、小幅であった。理想な容リ法になるのに、あと3回の改正が必要だろう。とすると、15年後か。

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コメント

安井先生
「私の視点」をHPで紹介していただき、ありがとうございました。

この記事の中のC先生の発言で、誤解をなされる方がいらっしゃると思い、コメントさせていただきました。

C先生の発言を、「税金であろうが、商品価格であろうが、どのように負担しても、結局は消費者負担なのだから、どんなシステムにしても結局は同じ、要は、消費者の問題。だから、容器包装ごみの有料化が一番良い」というように、誤解される方がいるのではと、思います。この主張は事業者が繰り返している主張です。

そこで、勝手ながら、以下のようにフォローさせていただきます。-----------------

事業者が支払おうが、市町村が支払おうが、あるいは、消費者が支払おうが、実は、もともとは誰の金か、と言えば、それは消費者の金である。しかし、その負担を、どの時点で、誰が負担するかで、結果は違う。例えば、国民健康保険の負担方法を考えてみよう。医療費増大に悩む政府は、本人負担の割合を引上げて、医療費全体の増加を抑えようとした。これも税金で負担しても個人で負担しても、結局、同じ国民負担であるが、どの時点で誰が負担するかで、結果が変わるという事例だ。
容器包装ごみの発生抑制という場合も、負担の方法で、結果が変わる。例えば、500mlPETボトルを見てみよう。二つのPETボトルの飲料がある。一つは、A社のミネラルウヲーターで重さが40g、もう一つがB社で20gと軽い、いずれもどこのコンビニでも販売されているものであるが。PETをリサイクル収集するのが市区町村だが、その費用はA社の物で1本6円、B社の物は3円である。
このリサイクル費用を、市区町村の負担でなく、商品価格に含めるシステムにしたら、どうだろうか。当然、A社のミネラルウヲーターは、B社のそれより3円高くなる。高くしたくないA社は、PETボトルを軽いものに替えようとする。しかし、設備投資が必要だ。そして費用対効果を計算する。年間1億本売れる商品なら、年間3億円の差になる。3億円の設備投資で軽量化できれば、2年目以降は利益になる、よし、軽量化しよう、となる。製造段階での発生抑制のシステムである。
 また、これを飲料メーカー段階でなくて、PETの素材メーカー段階でリサイクル費用を乗せるシステムもある。素材メーカーは数が少ないので、負担金を乗せるシステムとしては、容易だが、メーカー同士の力関係では中身メーカーの方が強いので乗せにくいという弱点もある。
今回の審議会では、事業者の一人勝ちに終わった。私はC先生ほど気長ではないので、是非、次の見直し時期の5年後には拡大生産者責任を徹底させたいと願っている。

投稿: 中村秀次 | 2006年2月11日 (土) 16時58分

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