遠のく「健康日本」
国が2010年あでに達成しようと定めた基準である「健康日本21」と比べて、このところ、健康でない方向に変化していることが分かった。
肥満の割合(20~60才男性)は、目標値15%以下であるが、00年には24.3%であったものが、03年には29.5%に増加した。
朝食を食べない中高生の割合が、目標値0%、00年6.0%、03年8.7%。
日常の歩数(男性):目標値9200歩、00年8202歩、03年7575歩。
同上(女性):目標値8300歩、00年7282歩、03年6821歩。
大量に飲酒する割合(男性):3.2%以下、00年4.1%が03年には5.3%。
同上(女性):0.2%が、00年には0.3%が03年に0.8%。
ストレスを感じた人の割合:目標49%、00年54.6%が03年には62.2%。
牛乳、乳製品などカルシウムを含む食品の摂取量:目標値130g、00年107gが03年には97g。
一方、幼児の虫歯、食塩摂取量などは、目標値に近づいた。
C先生:ストレスを感じたらサプリメントという商業主義に乗せられている人が一方では増えている。牛乳についても、「牛乳は毒」という説が徐々に広がっているような気がする。確かに完全な食品など、どこにもない。「バランスの良い食事」だけは永遠の真理のように思う。牛乳を否定するのも、肯定するのも程度問題だろう。
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コメント
栄養士や保健師の画一的な指導をさんざん聞かされてきた経験から実感するのですが、厚生労働省が打ち出す施策では、どんなに苦労して実践しても健康増進は望めない気がしてなりません。彼らの医学的アプローチは、どうも人間の持つ生理学的な特質を捉えて作られていないのではないでしょうか。
朝昼晩と人間はまったく代謝が異なり、消費されるエネルギーや栄養素も時間帯で刻々と変化することを考慮すれば、一方的に「朝は絶対抜くな」がん予防には「30品目以上(これは最近いわれなくなりましたが、これを意識すると食べすぎになることがわかってきたせい?)とはならないのではないでしょうか。アルコールにしてもどのような功罪があるのか、ほんとに休肝日を二日とらなければいけないのか、一日量でも限界があるはずで、それとの兼ね合いがあり、個人個人でも異なる代謝能力にあわせて実行可能なプログラムを示すべきでしょう。
むしろスポーツ科学から導き出されてきた知見の方が説得力があります。たとえば三食のなかで栄養素の組み合わせを、代謝にあわせメニューを組み立てていきます。アルコールの摂取に関しても、アルコールの神経毒だけでなく細胞毒まで、筋肉や内臓に及ぼす影響を考慮し、摂取の限界量を推定していきます。選手は納得して節酒に取り組みます。
普通の生活者はマニュアルとおりの指導では禁欲を強いられると受け止め、なかなか生活に生かされません。
面白いエピソードを紹介しますと、ある日の昼食のこと、ラーメン屋のカウンターに保健師と同席した際に、隣からラーメンのスープは塩分が多いから飲むなと説教を始めるのです。私が「もし高血圧を考慮するなら心配無用、塩分で血圧が反応するのは日本人の三分の一で私はそのグループではない」と反論したところ、説教をあきらめたのですが、昼食くらいはゆったりと気にせず食べた方がストレスを溜めないですみそうだと思います。
人間は原始時代から比べて、脳の発達や知識の集積により、高度な文明社会を築きあげてきましたが、体そのものはほとんど同じ生理機能のままです。人間の生活そのものをどのように健康にしていくか、原点に立ち返り、各界の知恵を出し合いアプローチしていく時代になったのではないでしょうか。
投稿: aoba54 | 2006年2月 7日 (火) 16時04分