この5月1日に水俣病公式確認50周年を迎えることに対応すべく、有識者によって組織された国の懇談会が迷走している。
もともとの水俣病の認定には、手足感覚障害、視野狭窄などの複数の症状の組み合わせが必要だとされてきたが、最高裁判決では、一つの症状でも損害賠償の対象になるとの見解が出ている。すなわち、現時点では、二重基準になっている。
東京在住の委員は、この二重基準の解消を強く主張。しかし、現地水俣在住の委員は、この議論から距離を置いている。それは、すでに、政治的決着が付けられている部分があって、もしも、これから基準の見直しをすると、不公平が生ずるから。
すでに補償、救済が行われた人は1万3千人に及ぶ。
もしも不公平を生じないようにするなら、巨額の費用が必要になるが、環境省単独でそれはできない。財務省は反対するだろう。
ちなみに、この懇談会の委員は、以下の通りである。
有馬 朗人 (財)日本科学技術振興財団会長、元文部大臣、元東大総長
嘉田由紀子 京都精華大学人文学部教授、環境社会学会会長
加藤タケ子 社会福祉法人さかえの杜 ほっとはうす施設長
金平 輝子 元東京都副知事、東京都歴史文化財団顧問
亀山 継夫 元最高裁判所判事、東海大学専門職大学院実務法学研究科長
鳥井 弘之 元日本経済新聞社論説委員、東京工業大学原子炉工学研究所教授
丸山 定巳 前熊本大学文学部教授、久留米工業大学工学部教授
柳田 邦男 ノンフィクション作家
屋山 太郎 政治評論家
吉井 正澄 前水俣市長
C先生:難しい問題なので、解決法を提案するのも憚られるが、そろそろ何か考えなければならないと思っているところではある。答えは、特定目的に限定した大きな政府を一時的に作ることか。いずれにしても、かなり大幅な国民全体の意識の変更が必要なので、もう一度総選挙をしないと駄目かもしれない。 バンコクにて記述。
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