大豆が南米を飲み込む
朝日新聞「岐路のアジア」第4部 チャイナパワー
95年に全耕作面積の約1/4だったアルゼンチンの大豆作付面積は、04年には49%に達した。過去5年の平均で、東京都の面積の5倍にあたる100万ヘクタールの大豆畑が毎年増えたことになる。写真で見る限り、政府の統計に含まれない地域にも広がる。
アルゼンチンだけではない。ブラジルでは95年から04年の間に1000万ヘクタールが増えた。ボリビア、パラグアイ、などでも急増。南米はまるで大豆大陸と化しつつある。
その原動力が中国の大豆需要。95年に大豆の輸出国から輸入国に展示、05年の輸入量は世界最大の2700万トンに上る。
大豆は急騰し、04年には1ブッシェル=27キロあたり10ドルを超えて、他の追従を許さない高収益作物となり、南米が目の色を変えて大豆栽培に突っ走っている。
土建業者は、果樹引き抜き工事の急増で事業拡大。投資家は農地を買い大豆栽培を耕作業者に委託する。
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コメント
おととしまで黒龍江省の大学、研究所で大豆の品種改良の目標は油量分の向上といっていたそうです。理由は国際市場での標準形質だから。
タンパク質含有量の高い品種を切り捨ててまで求めていたとすれば、食生活の変化、それに伴う生活習慣病の動向が気になります。
タンパク質を、東シナ海でクラゲの幼生が補食されなくなるほどの収奪型漁業に頼っているなら、これまた中国経済の頓挫は意外と早いかも、と感じます。もっとも、高所得層から順にメコン流域諸国、南北米、ロシアに移住させていって、そこを併呑してゆくというお得意の手がまだ残っていますが。
投稿: まいまい | 2006年3月20日 (月) 11時35分