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2006年5月 3日 (水)

CO2排出係数争いの愚

日経エコロジーの6月号p58。馬場未希さんの記事。

「エネットのCO2排出係数は、電力会社よりも大きい。御社からの電力供給は断る」。ある企業が電力小売業のエネットに最後通告をした。

これまで問題にならなかったことが問題になったのは、法律で公表が義務化されたから。
そして、こんな騒ぎが発生したのも、二酸化炭素排出係数が電気事業者ごとに発表されたためである。

CO2排出係数(単位はkg-CO2/kWh)

九州電力  0.331
関西電力  0.356
四国電力  0.36
東京電力  0.381
旧環境省案 0.391
エネット  0.394
新日本製鉄 0.427
北陸電力  0.436
東北電力  0.438
中部電力  0.45
新日本石油 0.476
イーレックス0.48
丸紅    0.485
途中省略
北海道電力 0.53
環境省案  0.555
中国電力  0.64
沖縄電力  0.94

こんな違いが出てしまう理由は、水力、風力、原子力のようにほとんどCO2を出さない発電、天然ガスのように比較的排出量が少ない発電と、石炭火力のように排出量の多い発電があるから。

C先生:このような問題は、エネルギーのように本来なら多様な価値基準で判定を下さなければならないものに、地球温暖化という単一の事象だけを対象にして公表システムが作られたことに問題の根源がある。
 温暖化対応が緊急性が高いということで決まってしまったこと、それ自身はしばらく仕方が無いが、今こそ、NPOの出番なのではないか。
 各企業が公表したデータに、独自の解釈を付け加えて発表する。
 例えば、原発依存度指数。これは文字通り、それぞれの企業が使用した電力が原発にどのぐらい依存しているか。
 枯渇危険性資源依存指数。使用電力が石油、天然ガスにどのぐらい依存しているか。石炭に依存している企業は、資源枯渇性に配慮をしていることになる。
 再生可能エネルギー依存指数。使用電力の水力、風力、太陽光などへの依存指数。
 エネルギー効率指数。コジェネなどを利用していることによって、総合効率が高いかどうか。
 環境問題を単一指数で評価することの無意味さをもっと企業の担当者に周知させることが必須だが、さらに、なんらかの方法でその悪影響を緩和することが必要だ。

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コメント

将来的に、CO2分離・回収・隔離が行われていったら、
見かけの削減量がどれだけCO2分離・回収・隔離に依存しているかの、CO2隔離依存指数とかも必要になりそうですね~。

投稿: ecomija | 2006年5月 4日 (木) 10時49分

新聞情報によると、日本の企業がCO2を分離して地下に圧入する装置を開発し、海外で実施するとのこと。
なんか違う!と感じました。
地下のCO2は将来どうなるのか
エネルギーを消費してCO2を減らす(正確には分離するだけ)というのは正しい方向なのか
うまく言えませんが違和感を感じます。

投稿: junti | 2006年5月 8日 (月) 21時57分

>安井先生
初コメント失礼します。これからはちょくちょく
書き込ませていただきます。よろしくです。

>ecomiyaさん
CO2濃度が高い環境下においては植物の生長が早まる
と渡辺正さん翻訳の地球環境化学入門で読みました。

CO2を回収・分離して、ハウス農業に生かせたら最高ですね。
地中深くに埋めるっていうのは、juntiさんと同じく
僕も違和感を感じます。夢がないというか。

あとはCO2を出した分だけ植林をすることで
CO2をオフセットしているかどうかですね。

>juntiさん
juntiさんが違和感を感じるのは、
新技術が本当に安全かどうかがわからない不安感でしょうか。

僕は、たとえ分離技術が安全だとしても、
大切な石油資源を分離技術なんかに使わないで、
本丸である消費量の削減で対処しないと
もったいないなぁ、と感じました。

投稿: 二木秀幸 | 2006年5月14日 (日) 02時24分

国は莫大なお金を使って対策を立てているので、
対策がどれだけ石油を使っているのかが気になります。

対策自体の石油消費量を見るというのは、
安井先生の言うところの半歩先どころか一歩二歩先なのかも
しれませんが。それを評価しないとそれこそ石油の無駄。

(前の書き込みの名前からのリンクが
おかしくなってしまってすみません。
メールアドレスのみにしました。)

投稿: 二木秀幸 | 2006年5月14日 (日) 02時31分

> 僕も違和感を感じます。夢がないというか。

自分も同じです。たしかになんかしっくりこないところがあります。でも、将来的に導入されていくことは実証試験の流れからしてほぼ確実なのではないかと。自然エネルギーが完全に普及するまでの中継ぎとしての役目ですかね。
で、導入された場合、CO2排出係数の算出において、地中/海洋隔離がどのような扱いになるか気になります。

もし、隔離量がそのままCO2排出削減としてカウントされた場合、隔離を行うことができない電力会社は、CO2排出係数の面で不利になりますよね?
隔離はグローバルな気候変動リスクを低減する一方で、ローカルな漏洩/生態リスクなどを少し考慮しないといけないので、CO2排出係数という切り口だけでは評価しきれない面があります。その点で、将来的に現在の「CO2排出係数争いの愚」のような事態になる可能性を持っているなぁと思いました。

投稿: ecomija | 2006年6月 7日 (水) 09時38分

1996年co2排出軽減を考えようという友人の発言で勉強会が開かれ、電気、ガス、水道の係数が入った計算式で月ごとに入力すると排出量がわかる表が配られました。勉強会は1年で、次のテーマに移ったのですが私はせっかくなので今日まで検針や領収書などから入力し続けて、取り組み具合を見てきました。ところがこのたび電力の領収書の裏にある係数を見て以前と違うのにびっくりしました。年毎に係数は変わるのですか?この10年余入力していたことは意味がなかったということなのでしょうか?。

投稿: ひじき | 2007年5月22日 (火) 06時08分

私は車に関連する本ウェブサイトが好きで、私は再びあなたのウェブサイトを訪問します。

投稿: 車買取 | 2012年6月12日 (火) 21時59分

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