6月14日: ロハス 遅すぎた「自由化」
ロハスを商売道具に使おうとする企業の思惑がぶつかり合っていた。ソトコトの小黒一三編集長は、「ロハスを知ったときスローフードを超えるブームになると確信した」、という。ソトコトを編集する出版社「トド・プレス」は、04年、先手を打って、「ロハス」の商標登録を出願した。大手商社、三井物産も続いた。登録可能な約1500種類の商品・サービスのうち、家電製品、生活用品、アパレル、結婚仲介業など8割を三井物産が、広告など1割をトド・プレスが抑えた。これで、「ロハス」を使う企業から商標使用料を取れる。両社は、05年夏から共同事業の相談に入った。
同じ頃、広告会社の電通もロハスに目をつけた。「ロハスはバブル後最大の広告キーワードになると考えた」。並木義巳部長は、ロハスは一般名詞であり、宣伝文句に使うだけなら、商標権侵害にはならないと考えた。
05年11月、両陣営の思惑は衝突した。「ロハスの種、入っています シャープの家電」というポスターを横浜市内のヨドバシカメラで掲示。ところが、ポスターが使われたのは、この店だけだった。三井・トド側が非公式に不快感を示したのが影響した。
この一件が広告業界に与えた影響は大きかった。大手企業の多くは、広告に「ロハス」を使うのを敬遠するようになった。
三井・トド側も「結果的に世間や企業から反感を買ってしまった」と反省しきり。両社は5月、商標使用料をとることをあきらめ、他社が使っても抗議しないと決めた。
やっと訪れた「ロハス自由化」。5月18日、イースクエアと電通などが都内で開いた「ロハスマーケティング研究会」には、三菱電機、三菱東京UFJ銀行、ハウス食品など33社が参加した。
しかし、こんな声もある。「ロハスはもう鮮度が落ちてきた。使えるのは、今年一杯かもね。。。。。」
C先生:カタカナ「ロハス」は最初から商業的(軽薄?)すぎて、米国における「Lohas」の反米国文明主義といった哲学的深みがない。我慢や倹約とは違う環境ライフスタイルという点では、本HPの言う「エコプレミアム」と同様の概念はあるが、残念ながら、商業的なイメージが強くなりすぎて、むしろ拒否感が残ったのではないか。
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コメント
先日、その「ロハスマーケティング」の関係者とお会いしました。
その方の説明によると
LOHASのSは「持続可能なライフスタイル」だそうです。
禁欲的にではなく、気楽に健康を意識するから長続きするという意味で・・・ OTZ
社内で消費者意識調査を担当している者も、
別のところから同じように聞いたと言っているので
商業的ロハスはそんなものなのかもしれません。
投稿: kozaru | 2006年6月20日 (火) 08時28分
環境とは関係ないですが、最近こういった「商標」の問題が多いですよね。
「フルブラウザ」(申請までですが)の商標登録など。
一部のビジネスモデル特許もそうですが、最近こういった制度の裏を突いたようなビジネスが幅を利かせてきているように感じます。
既に特許や商標のネタが一般的なものかどうかをお役所が審査することは限界に来ているんじゃないですかね。
まあ、無効審査請求とかありますが、登録審査の時点でもう少し現実に即した審査が必要なのではないでしょうかね。
投稿: b-51 | 2006年6月20日 (火) 11時56分