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2006年7月 7日 (金)

冬でも使える温水器??

冬でも使える太陽熱温水器というものがあるというご紹介をいただいた。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/d/26/
早速、アクセスして調べてみたら、なんと、あの環境脅かし屋で有名な船瀬俊介氏のコラムではないか。

そして、これまでの太陽熱温水器に比べて、4倍の集光効率を実現した機器というものが紹介されている。

その図は、http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/d/26/02.html をご覧いただきたい。

まず、複合パラボラ反射板というものを使っているのがミソのように書かれている。一見、良さそうにも見える。

そして、従来型の4倍の集光効率だから、冬の東北でも使えるとしている。

ちょっと考えてみると、これが全くのウソであることが分かる。上述の図は、そのうち消えてしまうだろうから、新たにスケッチを描いた。Collector

平板型の吸収板を並べた場合でも、複合パラボラ反射板を並べた場合でも、実は、集光効率は全く変わらないのだ。どう構造的にがんばっても、sinθで集光効率は制限されてしまう。

もしも、違いがあるとしたら、それは、温まったお湯からの放熱量だろう。平板型の吸収板は、逆に放熱効率も高いのだ。丸管にすることによって、また、丸管を保温器で囲む構造をとり易い複合パラボラ型は、放熱が多少少ないかもしれない。

これを極限まで極めようとしているタイプが、ドイツにはある。Schottが作っている。集光板はパラボラではなく、丸管であるが。
http://www.schott.com/solarthermal/english/download/etc16_en062006.pdf
一時期、この機種を導入してみようか、と思ったのだが、やはり価格が高すぎて、ペイバックが難しいようだ。

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コメント

解説ありがとうございました。なるほど、そういう人だったんですか。
実は外断熱の家に興味を持っていて、ついでに太陽熱給湯はどうなのかなと検索しててあれに出会ったんです。確かに太陽光の入力は一緒ですが、お湯の温度が平板より上がる(ただ給湯量は下がる=熱量は一定)のかなと思ったんですよ。

いまこの辺では、ラディアントバリア(radiant barrier)という、屋根の裏につけるアルミの熱反射層のようなものが話題です。屋根裏へ輻射で入る熱をそれで減らし、そこから室内への伝熱を減らして、エアコン代を下げようというものです。それなら、屋根の上に給湯器をつけた方がお湯も取れていいかなという発想です。ただし、めったにはないですが、この辺は強烈な雹(=野球のボール大)が降ることがあるので、それに耐えて長期使える屋根設置型の給湯器を見つけるのは難しいかと思ってます。

投稿: toshiki_in_TX | 2006年7月 8日 (土) 09時07分

全くの嘘っぱちだということは良くわかりますが、sinθを持ち出す意味がわかりません。図にあるような熱線をそのまま直感で捉えて平板型はその面積に入る熱線量、パラボラ型は(反射板の表面積ではなく)開口部の面積に入る熱線量というだけのことです。パラボラが完全に焦点(水管)に集光していないとしたら平板型よりも集光率が悪くなるはずです。
平板でなく丸管タイプの温水器を効率が良いからというセールストークに乗せられて約10年前に取り付けましたが値段ほどの差は無かったと実感しています。

投稿: 福岡 強 | 2006年7月10日 (月) 22時25分

解説ありがとうございます。きっと私だけなら騙されていたと思います。正しい知識の見分け方が以下に難しいかを改めて知ることができました。これからもお願いいたします。

投稿: 山修 | 2006年7月15日 (土) 10時13分

パラボラというのは、逆レンズといえる、太陽から入射する熱量が同じでも、集光する事によって、熱密度が上昇し、結果として冬でも温かいお湯が手に入るという事なのではないでしょうか?

入射熱量だけで見るのではなく、熱密度の観点で再検討されてみてはいかかでしょうか?熱量だけで否定するのは、早計だと思います。自分は、その装置を実際に見た事はないのですが、ただ、パラボラのようなものを使えば、高熱が手に入る事はアルキメデスの時代から分かっている事なので、あながち嘘ではないのではないかと思うのです。

投稿: gari | 2006年8月19日 (土) 20時02分

>gariさま

残念ながら、パラボラで集熱し水の温度が高くなることを活用できる太陽熱温水器は製造されておりません。理由は、どんな構造にしたら良いか分からないから。

勿論、最初から詐欺目的(?)で製造されているものはありますが。

類似品ですが、ショットの温水器は、真空を利用して放熱を下げるために、ガラス管構造になっているように思います。

もともと、温水器は熱量貯蔵器なのです。どんな形式にしてもタンクに水を貯めて、それを加温します。例えば、タンクが300Lであれば、集熱した熱量がその水全体に伝達され貯蔵されるのです。いかに集熱器の部分で高温になったとしても、その熱水が蛇口から直接出る訳ではないのです。高温になった水は、結果的に300Lの水に混じり、高温だったために、放熱が増えた分が逆に損ということになります。温度という熱の質よりも、熱量だけが問題になる特殊な世界なのです。

そして、得られる熱量は、集熱板の表面処理で多少変わるかもしれませんが、ほぼ面積だけで決まると考えて良いでしょう。放熱の方は、様々な工夫が可能ように思いますが、装置のコストを考えると、余り凝った方式は無理でしょう。

パラボラを使わなければならない太陽熱装置は、高い温度が必要な場合です。水を沸騰させてその蒸気を発電などに使う場合や高温で何かを溶かす太陽炉といった用途、あるいは、高温が必要な太陽熱クッカーといった場合のみで、40~60℃程度の温水を大量に得る目的には、熱量としては損をしますから、全く不適当な装置になります。

投稿: C先生 | 2006年8月20日 (日) 23時31分

---C先生の意見---
パラボラを使わなければならない太陽熱装置は、高い温度が必要な場合です。水を沸騰させてその蒸気を発電などに使う場合や高温で何かを溶かす太陽炉といった用途、あるいは、高温が必要な太陽熱クッカーといった場合のみで、40?60℃程度の温水を大量に得る目的には、熱量としては損をしますから、全く不適当な装置になります

---gariの意見----
自分がインターネットで聞いた話と違うので、その部分を言いますと、まず、従来の太陽熱温水器の問題点は、需要と供給のアンバランスにあるというのです。夏場は沸騰するようなお湯が出てきて、冬場はぬるま湯程度のお湯しか手に入らない。だからダメなのだと。

お湯が熱すぎるのであれば、水をまぜれば解決しますが、ぬるま湯をあたためるには、それを上回る温度の熱が必要です。(つまり、熱密度をあげる必要がある)エアコンのヒートポンプを見れば分かりますが、あれは、空気中の熱をわざわざ電気ポンプを使って圧縮して熱密度をあげる事によって、温風を作り出しています。お湯というのは、ある意味、熱密度の高い水の事ではないですか?自分はパラボラがそれに相当するのではないかと思っているのです。

同じで熱量でも...
20度の水が400リットルあっても、それは、ただの水であり、お湯は0リットルです。
40度の水が200リットルあったら、それはお湯が200リットルです。

熱密度をあげるというのは、そういう事なのだと思うのです。

光の状態の時に熱を収束させて、密度をあげれば、高熱が作りやすく、それによって、その温度の水、つまりお湯も作りやすい。自分はそう考えました。

投稿: gari | 2006年8月21日 (月) 14時20分

反射膜の形状によって太陽が移動する際の入社光のずれを問題なくする技術だったような…(うろ覚え)

後は高温にした方が貯湯槽を含めた全体効率が良くなります。

投稿: 通りすがり | 2010年2月16日 (火) 16時04分

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