番号ポータビリティ制度で、ソフトバンクが¥0なるコマーシャルを流していることに対して、本当は自分達の方が安いのだ、と主張。
まあ、現状ではどっちもどっちも。
日本の携帯電話商売はいずれにしてもまともではない。そもそも抱え込みを前提としたシステムであることが大きな原因なのだが、それが問題にされないのはオカシイ。
ヨーロッパなどでは、電波の形式はGSMか3Gであるが、どこの会社が提供している電波でも大体使える。勿論ローミング提携が行われていなければ駄目ではあるのだが。通常なら、その場所で、もっとも状態のよい電波を選択して使えることを意味する。
日本でも、夕方の盛り場などでは、電波が不足していて繋がらないことがあるようだが、そのようなときにも、ドコモの電波で駄目なら、AUを使い、それも駄目ならソフトバンクを使うという使い方ができるのがヨーロッパである。
すなわち、「電話を掛けたいときに、きっちりと良質な電波が使える」ということがサービスの本質だという理解なのである。
ところが、日本では「サービスの概念」が全く違う。ドコモの携帯を持ったら、ドコモの電波しか使えない。そこで、カメラを付けたり、お財布機能を持たせたり、音楽機能を付けたり、そんな携帯電話本体の機能ではなく、付属サービスで勝負をする。しかも、古くなった機種だと¥0とか¥1とかいった値段で売るから、本来4万円、5万円する機種の価値が正当に評価されない。機種変更が安すぎるから、当然のことながら、通話料が高くなる。
この方式だと、誰もまともなやり方で、すなわち、本来のサービスや本来の性能を向上させるという方法で、競争ができない。すなわち、本当の進歩を誰も果たすことができない。だから、日本の携帯は、世界市場で競争力を完全に失ってしまったのだ。
丁度、エアコンとか空気清浄機が、マイナスイオンというインチキなキーワードで競争したのと同じ構図なのだ。
ソフトバンクには大いに期待したい。理想形は、次のようなものだろう。「携帯電話本体の機種変更には結構な金が掛かるが、電波の状況が良い、通話料が安い、という本来のサービスで勝負」をする企業になって貰いたい。そうなると、日本の産業競争力も多少回復することだろう。
最近のコメント