11月10日: コメからバイオエタノール
三条市と見附市の2ヶ所に計83アールに、超多収米の「北陸193号」を植えた。牛の飼料用に開発された長粒種で余りおいしくないというが、10アールあたりの収量は、サンプル試算で800kg以上。食用米は500~600kgなので、差は歴然。倍の肥料を与えても弱らず、「ほったらかしでよかった」、と農家。
2000ヘクタールの水田の4割近くが減反による生産調整水田。このうち500ヘクタールで、最大3600トンのコメを作り、エタノール1000キロリットルの製造を目指す。
環境省のエコ燃料利用推進会議は、調整水田71万ヘクタールのうち、3~6万ヘクタールを利用すれば、コメから年間7.5~15万キロリットルのエタノールが生産できると見込む。そうなれば、沖縄のサトウキビや北海道の規格外小麦の供給可能量を上回る。
コメのエタノール化の最大の課題は、コスト削減。全農によると、食用米の販売単価が1kg平均350円に対し、燃料用は20円が国際的に競争になる価格。全農は、23円までは落とせると見ている。
C先生:先日の安倍首相の指示とは、これを意味したのか。目標の600万キロリットルは、それにしても、まだまだ大変。
バイオエタノールを国内で製造するのも悪いとは言わないが、でんぷんからの製造は、効率が悪いことを認識すべき。ただし、その先はセルロースからのエタノール製造だろうから、その前段階として練習しておくのも悪くは無い。
車からのCO2排出量10%削減が目標であるとしたら、燃費の悪い車に対して、比較的多めの炭素税を掛ける方法、あるいは、ハイブリッド車を20%普及させるという方法を併用するのが現実的ではあるが。
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コメント
http://tail-tale.blogspot.com/2006/11/blog-post_11.html
言い出しっぺは松岡大臣らしいですけど
投稿: pongchang | 2006年11月13日 (月) 16時51分
いくら土地を空けていたからといってもコメを使って車を走らせるなど、きっとそのうちにばちが当たります。
投稿: 上々 | 2006年11月13日 (月) 21時50分
松根油を集めて戦争したことを思えば、大したことではないでしょう。
米は余っているし、休耕田は増えているし・・・
問題は、20円/kgにしかならない米を作る人がいるか?と言う点です。貧乏暇無しが目に見えていますから。
投稿: 環蛙” | 2006年11月14日 (火) 08時51分
代替燃料の話は良く聞くが,何が一番良いのかよく分からない。水素ならそのまま燃料になるだろうし,植物油をそのまま燃料にするのは効率が良さそうだ。どちらも研究者がいるのに話題にならないのは学会で無視されているのか。
水素を燃料電池で使ったり光合成産物を発酵させたりすればエネルギー効率が落ちるのは当然だと思われるのだが。
投稿: はやん | 2006年11月15日 (水) 23時25分
水素を直接燃焼させる場合には、結果的に運動エネルギーにならず熱エネルギーになる割合が高いからでは?
でも、バイエルンのエンジン製作所が水素エンジンを開発中、ということも聞いたような気がしますが。
投稿: Grunwald | 2006年11月16日 (木) 00時16分
はやん さん、
>水素ならそのまま燃料になるだろうし,植物油をそのまま燃料にするのは効率が良さそうだ。
>どちらも研究者がいるのに話題にならないのは学会で無視されているのか。
注意深く報道をチェックしてると、どちらもそれなりに『話題』にはされてますよ。少なくとも無視されてるなんて状況ではありません。
石油のような一次燃料として考える場合、水素の場合は製造に投入するエネルギーの方が水素から得られるエネルギーよりもたくさん必要なので不適ですが、この手のバイオマスの場合は、ソコまで筋は悪くないでしょう。とは言っても、充分にペイするレベルかと言えば、かなり危ないような気がしますが。
経済的なものを考えれば、E3だE10だなんてのを国内原料で実現しようと思えば、米にしろ木質(セルロース)にしろ、かなり補助金を投入しない限りは難しいと思います。もちろん、石油の枯渇が進んで原油価格が現状よりもずっと上昇すれば、別でしょうが。
投稿: 温泉カワセミ | 2006年11月20日 (月) 00時20分
>水素ならそのまま燃料になるだろうし
熱効率とか運搬/貯蔵の問題とかを考えればある程度はお分かりになるのではないかと。
水素は(燃料電池が実用レベルになるまでは)問題外として、米なんかからエタノールを作るのと、菜種などを育ててバイオディーゼル燃料を作るのとではどちらが効率的なのでしょうかね。
>かなり補助金を投入しない限りは難しいと思います
道路特定財源を充てるのも良いんじゃないでしょうかね。
無駄な高速道路とかを作るよりはよっぽど実になると思います。
あとは、企業による農地運営をもっと積極的に進めるべきでしょうね。
#それでコストパフォーマンスは大分良くなるのではないかと
投稿: B-51 | 2006年11月20日 (月) 13時55分
デンプンにしても油脂にしてもバイオマス全体からみると小部分なので、それでエネルギー資源を確保するのはむずかしいと思います。
C先生も指摘しておられるセルロースなど、バイオマスの大きな部分をしめる物質を燃料にする必要があると思います。セルロースも建築材料(木材)、衣服、紙などと競合しますが、その廃品や、加工がむずかしい半端な形のものを燃料にするのはよいでしょう。セルロースを酸化して目的を達するのであれば、エタノールを経由するのはエネルギー資源のむだがあります。なるべくセルロースをそのまま酸化する方法を考え、液体燃料化は液体でないと困る目的に限ったほうがよいのではないでしょうか。
なお、バイオマスのもつ植物にとっての養分を土壌に返すことも重要なのですが、その点では、C, H, Oは取り除いてかまわないでしょう。
投稿: macroscope | 2006年11月20日 (月) 15時22分
Thank you... http://miservak.info
投稿: cfoiwjhy | 2007年6月 2日 (土) 10時59分