12月3日: HPで久しぶりにマイナスイオンを取り上げました
マイナスイオンがどうもインチキであったということは、どうやら文化的な素養のある人々では共通認識になりつつあるのは、極めて嬉しいことである。
東京都がマイナスイオン商品に関する報告書を出したので、こんな記事を書いてみました。
しかし、疑似科学、あるいは、未科学のタネは尽きない。先日来、スポーツ中継を見ては気になるのが、ファイテン製などだと思うが、変なネックレスを付けている選手が多いこと。全くの感触で恐縮ながら、このネックレスを付けている選手は、いざというときのメンタル面が弱いような気がする。例えば、松中(ソフトバンク)、女子バレーの数名、高橋尚子、そして本日の藤田(マラソン)。C先生:「結局、自分以外は頼りにならないんだよ!! 未科学の効用を信じているような人間は勝者にはなれない」。
それにしても、このファイテン製品のきっちりした批判記事が余り見つからないのは不思議の一つ。
このところもう一つ気になるのが、水素と白金ナノコロイド(ナノ粒子)。そんな健康商品が出てきている。しかし、こちらは天羽先生の専門。
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/
これまで九州大学の白畑教授だけかと思っていたら、最近、東京大学の宮本有正教授が研究と同時に、白金ナノ粒子のベンチャーをやっている。http://apt-japan.co.jp/index.shtml
天羽先生によれば、宮本教授の研究そのものは、かなりまともな検討をやっているようだ。白金ナノ粒子には、触媒的な還元作用によって活性酸素を消す効果があるらしい。白金が有用な触媒であるのは、もともと化学の常識だ。
となると、これは本物の科学になる可能性がないとも言えない。しかし、いきなり健康商品か?? やはり様々なノイズが発生して疑似科学という評価になる可能性もあり。
ちなみに、白畑教授は、日本トリムという会社が支えている。電解水製造装置を売っている企業である。昔、日田天領水は、電解装置で作られているという噂があったが、どうやらそれが本当の話だったような感じ。白金を使った電極から白金のコロイドができるらしい。しかし、天羽先生の例の水商売ウォッチングによれば、日田天領水の抗酸化作用は、バナジウムイオンという発表(杏林大学平岡講師)があるという。
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コメント
>有名度に比較すると、ラヴォアジェ、ベートーベンの件数が少ないような気がしますね。
ラボアジエ,ベートーヴェンではいかがでしょうか?
投稿: Yamada | 2006年12月 4日 (月) 12時49分
スポーツ選手が使用している製品ですが、ただのスポンサーである可能性もあります。
効果を期待して自分から使用しているのではなく、お金をもらう代わりに身に着けたりメーカーロゴをウェアにつけたりします。これは、体に巻いたり貼ったりするもの以外でもあります。極端な例では、実際の競技で使用する道具でも、チームとしてのスポンサーが決まっていても個人的に使用したくないメーカーの場合に、中身は別物で表面のプリントだけスポンサーのものにかえたりすることが結構あります。
ちなみに、スポーツ以外でもそうですよね。軽自動車のCMに出ている芸能人が、必ずしもその軽自動車を使っているわけではありませんよね。
インチキネックレスの場合、科学的ポリシーが無いことにはなりますが。まぁ彼らはそれが仕事ですから。
投稿: つくだ | 2006年12月 7日 (木) 18時05分
ちょっと横道にそれますが,お許しください.
つくださんの書かれたような意味では,
私自身には常に広告に対するある種の思いがあります.
それは,
ある商品を宣伝するという行為を行う以上は,
その商品の特徴や宣伝文句が,
広告に出演する人の価値観とも一致するものであって欲しい
ということです.
消費者金融のTVCMなどを見るたびに,その思いを強くします.
自動車・健康食品など全て諸々のTVCMについても同様です.
画面に登場した出演者自身が語るような広告では,
この考え方で私自身の中には矛盾は全くありません.
すなわち,広告という行為においても,その人の職業に関わらず人間としての誠実性を要求しているわけです(報酬を得ようが得まいとに関わらず).
(例えば,自動車などはその筋の愛好家にとって価値のある車,興味のある車など何種類もありますが,1人の個人が必ずしもその全てを所有して乗れるわけでもないので,広告に出演したがその車を所有していないからといって,必ずしも不誠実とは言えないと思います.繰り返しになりますが,あくまで商品の持つ特性が,出演者の価値観にとって好ましいものであればよいわけです.)
ところが,
スポーツ選手のユニフォームについた広告とスポーツ選手の関係,
F1レースカーの車体についた広告とドライバーの関係,
などになると,商品(あるいはスポンサー)と広告仲介者(スポーツ選手やF1ドライバー)の関係は希薄になっていき,あまり価値観の一致不一致を追求しても仕方がないと思うようにもなります.
ただ単に,過度の広告であると思うだけです.
皆さんはどう思われますか?
投稿: 麦麦 | 2006年12月 7日 (木) 21時30分
スポンサー(パトロン)がいなければ競技生活が成り立たないのだから、ファンも「だまされた」ではなく、応援(後押し)のつもりで購入すれば、結局は選手の応援になるのでよろしいのでは?
但し、悪徳商品でなければですが・・・
それよりも、貴重な貴金属である白金を、こんな形で消費してしまうことの方が人類に対する犯罪だと思います。 どんなに美しくしようとも、人の寿命の内の一瞬でしょう? 白金の有用性と希少性を考えたら全くの無駄遣いです!!(本当に白金コロイドだとしたらですが・・?)
それ以前に、本当に効果があるのか? ただのイメージ商品だと思います。
投稿: 環蛙” | 2006年12月 8日 (金) 09時22分
一般的な広告については、それが無ければ消費者(視聴者・観戦者等)の金銭的負担が増えるのですから、多少無理があっても仕方ないとは思います。
例えばF1ですが、広告を一切なくす変わりにTV中継は有料チャンネルのみ、サーキットの観戦チケットは今の倍とかになってしまったら、視る人は大分減るでしょう。
その結果、F1自体への興味が薄れて廃れることになると思います。
野球でもサッカーでもこれは同じだと思います。
ただ、広告目的なのか先取本人の趣味なのかわからないような詐欺的宣伝手段は否定されるべきだと思います。
他にも、雑誌の記事を装った広告とか。
ああいったものは、公正取引委員会とうで規制すべきだと思うのですがね。
投稿: B-51 | 2006年12月 8日 (金) 11時30分
テレビはウソはいわないと思ってる人が多いと同時に
テレビの影響力になんでも頼りたがる人の多さはどういうことだろう。
テレビの影響力に頼ってニセ科学の問題をテレビで
とりあげてくれといってる人もよくみかけます。
そもそも最近のインチキの散布元はテレビであることも多い。
テレビや新聞はつねに詐欺で視聴者を騙し商売してる側であり
まっとうな科学の味方ではない。
そのテレビにインチキの問題をとりあげてもらうということは
詐欺師に詐欺師を批判をしてもらおうといってるようなものでしょう。
また一度や二度テレビ番組がインチキへの警告をしたところで
うらない師がテレビの世界でいばっていられる現状で
あまり意味はないと思えます。
法律で規制でもしないかぎり今後もテレビ局が
視聴者騙しのインチキを軸に商売をしていくことを
やめることはないでしょう。
また今後も永遠に教育関係者および科学者はつねにその後始末に
追われることとになるのでしょう。
投稿: はちどり | 2006年12月 8日 (金) 22時05分
麦麦さんの広告に対する思いは、私も同感です。しかし、現実は異なりますので残念です。
テレビがインチキの元になるのは、もう構造上しょうがないですよね。スポーツ選手の場合はスポンサーがなくても賞金などでやっていけるかも知れませんが、テレビの場合はスポンサーが全てです。スポンサーの意向に反した放送などできないでしょう。
そういう意味でスポンサーの無いNHKに期待したいのですが、現実はあまり期待できないのが残念です。
投稿: つくだ | 2006年12月 8日 (金) 23時40分
タレントや有名人に限らず登場人物が(特に言葉で)商品を宣伝するようなCM(広告)に対する私の思いは,皆さんと大体共通なようでほっとしました.
一方,
>スポンサー(パトロン)がいなければ競技生活が成り立たないのだから、ファンも「だまされた」ではなく、応援(後押し)のつもりで購入すれば、結局は選手の応援になるのでよろしいのでは?
競技振興が第一目的であれば,現実はまさにそうなのですが,
広告,ステッカーや商品を介さずとも競技を維持できるような仕組みを作る方が,地球環境的にもよいのではないでしょうか.
>その結果、F1自体への興味が薄れて廃れることになると思います。
野球でもサッカーでもこれは同じだと思います。
個人的には,廃れても良いと考えています.
特に環境には良さそうに思えないF1などはそうです.
また過度のスポーツ振興とその商業化の現状も賛成ではありません.
非行化対策,受験戦争落ちこぼれ対策などの大義名分のもとに
学校教育の枠組みを利用して行われている青少年に対する
過度のスポーツ振興が,子供達に成功に対する過度の期待を与えて,
知的好奇心をしぼませ,社会的成長を阻害しているのが
日本の地方の現状だと感じています.
一方,誠実なCMをつくることを習慣化するだけでも
経済の仕組みを少しずつ人間中心に変えられるのではないか
と願っています.
>他にも、雑誌の記事を装った広告とか。
これは,PRのページとか片隅に入れておくものだと思っていました.
最低限そのくらいはすべきですよね.
それからインターネット上では,アフィリエート広告というのが出てきていますよね.
いずれにしても現代社会では,
人はあまりにも広告に対して無感覚になりつつあると思います.
社会の中に公平な広告の機会を保証するためのプラットホームが
必要であるということも一方ではあるのですが,
個人としては,盲目的に広告の片棒を担ぐということをすべきでないと思います.地球環境問題のためにも必要な考え方ではないでしょうか?
投稿: 麦麦 | 2006年12月12日 (火) 22時19分
菊地先生がテレビにでことを当日テレビ欄で発見したのでみました。
内容はとてもわかりやすかったと思います。
これをどれだけの人が見てるかな。と思ったんですが
今はネットに動画をあげるというやり方があったんですよね。
そのあたりから広まってるようで
反響も多くあったようでよかったと思います。
>テレビ番組がインチキへの警告をしたところで
>あまり意味はない
と言った私の立場は?(笑)
はどうでもいいですがまあNHKですしね。
この番組を取り上げてるブログをいろいろみてみましたが
取り上げてる人はこういったことに
関心があるタイプの方が多いように思えましたが
個人的にはマイナスイオン他にはまってる人が
見てどう思ったかなということに興味があったのですが
素直に受けとめてる人が多い気がしました。
中にはNHKだから信用できない。とか
菊地って人にも裏があるだろう。とか
地球温暖化もニセ科学だ。
とかまあいろいろありましたが・・
テレビの影響の大きさを感じましたが
テレビで科学者が否定してみせたのをみて
またそれをすぐ受け入れるというのも
マイナスイオンをテレビを見て信じるのと
同じかなとも思いましたが
今後何か流れが変わるか少し期待したいところです。
投稿: はちどり | 2006年12月22日 (金) 17時29分
【オリハル註:マイナスイオンの有効性は科学的に検証済みだと思います。⇒http://www.asyura2.com/07/bd50/msg/308.html
それから、「ニセ科学を吹聴する勢力」=「北朝鮮勢力」ではないかという疑念が私にはあるんですが…。⇒
http://oriharu.net/j666.htm#siso】
投稿: オリハル | 2007年8月 5日 (日) 13時45分