1月21日: とうとう「あるある」が馬脚を現す
1月7日放送の「あるある大事典Ⅱ:納豆ダイエット」の映像にデータ捏造などの問題があったことが判明したことを関西テレビが発表。
実際には測定していないデータなどもあった。様々な疑惑は、週刊朝日に詳しいようだ。米国の教授が英語で喋った内容と、日本語字幕とは内容が全く一致していないというひどさだった。
納豆に含まれるイソフラボンがDHEAというホルモンの原料になるとし、20~50代の8名に2週間食べさせた結果、最高で3.4kg減など、全員の体重が減ったと報告した。
その後、納豆の品薄状態が続いた。
C先生:そろそろ何かやってくれると思ってはいたが、この程度の番組を信じる方も悪いのだ。
ダイエットなどというものに、そんなに旨い方法はない。下剤や吸収を阻害する薬品などを使わなければ、すなわち健康な状態を維持している限りにおいて、体重は、たった3つの原則で決まる。
(1)食べたカロリー-エネルギー消費量=体重増加量
(2)消費量は、体温が高ければ代謝が多少増えるので増える。
(3)筋肉を動かすことによって、消費量は増えるが、筋肉の効率は非常に高いので、それこそ多少である。
筋肉を駆動するエネルギーが少なくても、運動によって体温が上がれば消費量は増える。
これだけでは一度放送したら終わり。次々と放送を作る訳には行かないので、様々な方法があるような情報を流すことになる。
コンニャクダイエットは、コンニャクなる食べ物が、ヒトが消化できない多糖類からできているのでカロリーはゼロ、といった理由。これはかなり明確。
新式ダイエットと聞いたら、眉唾だと思う態度がまず重要なのだ。
「あるある」も、まあそろそろタネ切れなのだろうから、止めるのが妥当。
朝日の二面に、過去メディアで話題になった食品のリストがあったので、それを記録しておく。
1995年:ココア:ポリフェノールの抗酸化作用、がん予防
1996年:黒酢:クエン酸:疲労回復、ダイエット
1997年:ブルーベリー:アントシアニン:目に良い
1997年:赤ワイン:ポリフェノール:抗酸化作用、動脈硬化防止
2001年:青さかな:DHA:頭がよくなる
2001年:海洋深層水:ミネラル:抗アレルギー
2002年:にがり:ミネラル:抗アレルギー、ダイエット
2005年:寒天:食物繊維:ダイエット
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コメント
あるあるの打ち切りは当然として、同じく不祥事を起こした不二家が下手すれば潰れるほどの状態にあるのに対し、テレビ局は5分ほどの釈明だけで通常通りと言うのは如何にも不公平だと思う。問題の解明、再発防止対策がなされるまで放送を停止するくらいするのが道理だと思います。
投稿: 嘘つきさん | 2007年1月24日 (水) 06時06分
あるあるやみのもんた現象≒フードファディズムはmixiニセ科学関係のコミュニティでも話題になっていましたね(未加入でしたらご招待します。)。
コンニャクのダイエット効果については、高校の頃、消化されないと言われていたのに、そのまま排泄されないのはなぜか?非常疑問に思っていました。そこで自分の吐瀉物や排泄物に細切れのコンニャクを混ぜて容器内に放置したことがあります。
一週間後
1.吐瀉物;カビが生えない、コンニャクも変化はない。
2.排泄物;カビは生えない、コンニャクはペースト状に。
3.水道水;カビが生え、コンニャクはペースト状に。
となりました。ペーストが分解多糖類を生じているかは調べていませんが、人間の酵素で分解できなくても、消化管内の微生物は何らかの作用を及ぼしているのでは?と勝手に思っています。
ああいうペーストが排泄物に混じるなら、お通じが良くなるとは思います。
投稿: まいまい | 2007年1月24日 (水) 09時03分
昨日のフジテレビニュースを見ていたら、まるで人事のような報道でしたね。
作成が関西テレビだとはいえ、系列局なんだからお詫びの一言くらいあっても良いだろうと・・・
あと、みのもんたが朝の報道系番組で、「私も健康情報の番組をやっていますが、こういうのは許せないですね」みたいな発言してました。
「お前も同じ穴のムジナだろう!」と突っ込まずにはいられませんでしたね。
>まいまいさん
すごい実験してますね^^;
その探究心には頭が下がります。
投稿: B-51 | 2007年1月24日 (水) 11時39分
理想を言えば科学者等の告発で
このような番組が終わってもらいたかったところですが
きっかけは週刊誌の取材がだったようで
結局マスコミが動かないとなにも変わらないようですね。
科学者からすれば仕事の優先順位から
テレビなんかに付き合ってられないといったところでしょうが。。
関西テレビは開きなおって逆に他社の捏造の実態の
指摘をしてみたら?
まだまだ視聴者は気がつきません。
投稿: hachi(はちどり) | 2007年1月24日 (水) 20時15分
B-51さま
はい、お恥ずかしい。
初めての子供を授かったとき、妻の胸から身体によい乳酸菌を分離しよう、と持ちかけて断られてもおります。
技術者でなくても、こういうマッドなことをやりたい人はいると思うのです。身近なダイエットとか、お料理とか。だからといって、「あるある」の今回の例のように裏付けがあるかのように広告してしまってはいけませんね。
自戒を込めて。
投稿: まいまい | 2007年1月25日 (木) 17時15分
>まいまいさん
神、またはネ申と呼ばせて下さい。
今日、酒を飲んでいて気付いたのですが、ウィスキーの瓶に「樽ポリフェノール〜mg」とか書いてありました。ポリフェノールの効能が出る前に体を壊しますって。
投稿: 嘘つきさん | 2007年1月26日 (金) 21時44分
遅すぎですが、コメントさせて戴きます。
昔、このサイトで話題になっていた「マイナスイオン」ですが、Wikipediaには次のような記述があります。
>1990年代後半よりマイナスイオン商品が販売されていたが、ブームのきっかけは1999年から2002年にかけてテレビ放映された情報バラエティ番組「発掘!あるある大事典」の特集番組である。マイナスイオンの驚くべき効能が謳われ、ブームに火がつき、マイナスイオンは流行語となった。(出展:Wikipediaマイナスイオン)
今回の一連の報道ではこの件を追求していないようですが、実に面白いと思いました。ちなみに、この間行った温泉センターでは、ナントカ言う石を浴槽周辺に並べて「マイナスイオンにより疲れを取る」と効能が書いてありました。まだ世の中にはマイナスイオンがあふれて?いるようです。
投稿: おしお | 2007年3月 3日 (土) 00時23分