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2007年2月18日 (日)

2月18日: バイオ燃料、出足に乱れ

 朝日新聞

 バイオエタノールの実証事業で、頓挫するケースが出てきた。エタノールとガソリンを混ぜる方式を巡って対立が生まれ、石油業界の方針と異なる方式だと、ガソリン調達が難しいためだ。バイオ燃料の大量導入をにらみ、業界と環境省などが主導権を争う構図になっている。
 山形県新庄市で、環境省の実証事業が、協力してくれるガソリンスタンドがなく、中止に追い込まれた。
 石油業界は、バイオエタノールをガソリンに混ぜるとき、ETBEという物質にしてから混ぜる別方式の採用を決めた。
 一方、環境省がこれまで推進してきたやり方がエタノールの直接混合。3%まぜるE3である。
 石油業界は、E3を導入すると、エタノールによる金属腐食対策などで3500億円以上かかるとして反対している。
 環境省は、ガソリンと地域で算出したエタノールを地域で混ぜることによって、地産地消に近い方式を進めてきた。
 ETBE方式では、製油所単位で大規模な施設で作る必要があり、地産池消は不可能となる。

C先生:ETBEはエチルターシャリーブチルエーテルの略である。以前、エチルをメチルに変えた、MTBEという物質が、米国ではハイオクガソリンに添加されていた。ところが米国のガソリンスタンドのガソリンタンクにはひび割れがあって、MTBEを含むガソリンが地下水に入ってしまった。そのため、地下水が飲料不可になった地域が続発した。ガソリンを分解する菌は、地中に存在しているが、人工物質であるMTBEを分解できる菌は、天然には存在していない。
 すなわち、環境を考えると、ETBEを含めて、大量の物質を取り扱うときには、できるだけ天然物にせよ、という教訓が成り立つ。ナホトカ号の事故のように、タンカーからの原油流出事故が世界各地であったが、やはり自然界は偉大で、天然物であれば、そのうち細菌が分解してくれる。
 日本の石油業界は、主として経済効果と費用負担の議論で、ETBEへの転換を決めたものと思える。E3で金属が腐食するのなら、ブラジルなどはどうなっているのだろう。これは、言い訳にしか聞こえない。しかし、ガソリンに誰か分からない他人がエタノールを混ぜることで、製造物責任を果たせない、という理屈は分からない訳ではない。
 しかし、もしもETBEが各地で漏れ出すようなことになったら、それこそ、3500億円といった費用負担では終わらない可能性もある。リスク回避の議論はきちんと行われたのだろうか。

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コメント

>人工物質であるMTBEを分解できる菌は、天然には存在していない。
ここの所が気になりました。
本当でしょうか?

投稿: tbdd | 2007年2月21日 (水) 00時17分

人工物か天然物かという区切りで説明するのは危険ではないでしょうか。
#この辺はC先生も常々仰っていることではないかとも思うのですが…

天然物だって難分解性のものは沢山ありますし、人工物だってすぐに微生物によって腐食するものは沢山あります。
そもそも、何を持って人工物とするのかという問題もあります。
#原油は確かに天然物でしょうが、ガソリンは人が精製したものですから人工物とも言えます

MTBEが自然分解されにくいのかどうかは知りませんが、あくまでMTBEやETBEがどうなのかという議論にするべきだと思います。

投稿: B-51 | 2007年2月21日 (水) 11時16分

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