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2007年3月 9日 (金)

3月9日: 新環境規制でドイツ苦戦

 EUの新CO2排出規制で、ドイツが苦戦。メルセデス、BMWなど、高級車が多いため。メルセデスは、新開発のディーゼルで行く方針で、BMWは、水素エンジン車など独自技術を展示する。
 新しい規制は、2012年までにCO2排出量を130g/kmとするもの。さらに、バイオ燃料の利用によって、120g/kmまで減らす。
 この規制は、メーカーや国、車種ごとに同じ制限をてきようするのかどうか、といった詳細は未定。
 ドイツの自動車業界は、EU全体で、この値を守れば良い、と主張しているが、フィアットやプジョー・シトロエン、ルノーは考え方が違う。
 トヨタ自動車も、「利益の少ない小型車だけでは、企業としてはやっていけない。ビジネスとして成り立つ方策が必要」との立場。

C先生:どこまで長期的な見通しを持つかに掛かっている。大型車は利益が多く、小型車は利益が少ない、という状況を早めに改善しないと、少々長期を見ると将来の苦戦は見えている。それには、小型車にどのような付加価値を付けるかに掛かる。最後は、アイディア勝負になるものと思われる。
 しかし、自治体や政府などの役割も大きい。燃費の悪いフル装備の重たい軽自動車が売れる理由をよく考えて、その役割を果たしてもらいたい。

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コメント

トヨタの高級車の利益がプリウスの製造コストを支えているのだとしたら、高級車を1台買う方がプリウス1台よりも実は環境に貢献している、という可能性もなくはないですね。プリウスみたいな製品の価格弾力性は他と比べてどうなのでしょう。

投稿: ととちお | 2007年3月13日 (火) 23時17分

 それは,プリウスではなくもっと大型の高級車を買う人がいることによって、プリウスの低価格での販売が可能になり,プリウスの普及が早まるという意味でしょうか?

 良さそうにも見えますが,よく考えてあまり健全な循環とも思えません.

 一方で,トヨタ自身が現在のプリウスの販売価格で利益が出ているという発言をしていたと思います.(開発費の回収がどの程度含まれいるかはわかりませんが)

 むしろ,個人ユースで環境負荷の高い高級車や大型車を買い続ける人達の意識改革や誘導策,さらにメーカーに対しての「環境対応車だけでやっていけるようにする」誘導策が重要だと思います.

投稿: 麦麦 | 2007年3月14日 (水) 23時59分

「価格弾力性」については,この言葉をどう捉えるかですね. 私は,経営・投資・会計などには詳しくないので,以下は素人考えですが.

 ハイブリッド車としてのプリウスの開発に必要であった様々な基本技術・特許等は,これからのトヨタの様々な車種の開発にも重要な役割を果たすでしょうから,プリウスが革新的であればあるほど,その開発費用をそれらの今後発売されてくるだろう車種の販売価格に上乗せして,長期に渡って回収するというようにすることもできるはずです.

 事実,プリウスのハイブリッド制御技術は,(いつになるかはわからない)燃料電池車の制御技術にも転用可能だとされていますよね.

 そういう意味では,プリウスの「価格弾力性」は極めて高いと言えるのではないでしょうか.実はその結果が現在の価格なのではないですか?そう考えれば,高級車の販売と,プリウスの販売を抱き合わせで考える必要もなくなるでしょう.トヨタ自身の考えを聞きたいところです.

投稿: 麦麦 | 2007年3月15日 (木) 14時59分

長期的には麦麦さんのおっしゃる通りですが、早く普及させたい場合には抱き合わせ思考も必要だと思います。高級車・大型車は少数派ですから、そこからの上がりで多数の小型車ユーザーがハイブリッドに切り替えられるとなればメリットの方が大きいでしょう。開発費の投入→技術的優位→回収という話も、短期的に収支が合うことが前提ですから、高収益商品との組み合わせを考えざるを得ません。ポートフォリオ・マネージメントで言う「金のなる木」と「問題児」の関係ですか。

もちろん現状のバランスの上での話でして、「高級車・大型車を買うのが環境にいい」と言って実行に移す人が増えてしまったら状況は変わります。

C先生>大型車は利益が多く、小型車は利益が少ない、という状況を早めに改善しないと
購買層を考えれば、この構造を変えるのは難しい気がします。環境=付加価値、が一般化するまで世の中が変われば、高級車でも燃費がよくないと売れないという状況になるのでしょうけど。今回のような話はトヨタにはチャンスだと思うのですが。

投稿: ととちお | 2007年3月16日 (金) 10時28分

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