10月12日:水素自動車 表舞台へ
朝日新聞朝刊経済面
武蔵工業大学山根公高・工学部准教授が37年間に渡って研究してきた。マイナス253度の液化水素を高圧ポンプで噴射することによって燃焼効率が向上し、よりパワフルになった。100リットルの液化水素タンクを搭載し、最高時速150キロ、走行距離300キロという。
武蔵工大のがんばりもあって、実用化にあと一歩の段階までこぎつけた。
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視点:温暖化 急激なら・・・・・発明から100年以上たったエンジンの基本構造はほとんどそのまま。今なお動力源として生き残っているのは、高い完成度のためだろう。開発担当者からは「エンジン車は今後50年は残る」と異口同音。
水素エンジン車は、地球温暖化が急激に進んだ時、「究極のエコカー」なのか「つなぎ」なのかは分からないが、ガソリン車などに混じって水素でエンジンを動かす車が街中を走り回る光景がみられるかもしれない。
C先生:水素エンジン車にしても水素燃料電池車にしても、自動車の方はなんとかなる。どうにもならないのが、インフラ整備。世界的にみて、アイスランドは、水素国になる可能性があるだろう。理由は、水力発電のポテンシャルがほぼ無限にあって、また、国策として水素社会を目指しているから。もしも、発電をするのなら、電気のままで使うのがベスト。そこで、電気自動車になる。問題は、バッテリーと充電時間だが、水素燃料電池に比べたら、なんとかなりそう。
現時点で、水素を作るとしたら化石燃料から作るのが経済的。原子炉による水の熱分解を押す人もいるが、それなら発電した方が合理的ではないか。コークスを作るプロセスで水素は出ている。しかし、精製が大変なので、燃料として燃やされている。水素エンジン車用なら使えないこともない。しかし、コークス炉がある地域のみの話。
もしも化石燃料から水素を作って、水素エンジン車を走らせると、温室効果ガスの発生量は増えてしまう。だから、温暖化急激なら・・・・この記事とは全く逆で、水素エンジン車にはならない。
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コメント
以前、(こちらのコメントだったか他所だったかは失念しました)「風力がふんだんに利用できる地域で風力発電により水の電気分解で水素を精製して輸送する」という方策をお聞きしましたが、この方法の現実性はどうなんでしょうかね?
輸送に必要なエネルギー量を軽く上回るだけの水素を継続的に供給出来るのなら、こういった方策もありかもしれませんが。
#長距離だと電力のままでの送電は無理なので
投稿: B-51 | 2007年10月17日 (水) 12時35分
燃料電池で消費する水素を電気で作るならば、電気を化学エネルギーに変えて運ぶという意味では蓄電池と同じです。しかし水素は、圧縮、液化、吸着のいずれにしてももらさずに運ぶのがむずかしい物質です。容器を含めると水素は軽いとは言えないでしょう。水素にこだわらずに輸送しやすい蓄電(エネルギー保持)材料を考えるべきでしょう。
しろうと考えですが、炭素単体か炭化水素がよいのではないでしょうか。直接に二酸化炭素を出すことを忌み嫌う必要はなく、資源サイクル全体の正味で出さないようにすればよいのです。空気中の二酸化炭素をセルロースなどの炭水化物にするところまで植物に頼り、それを強制的に還元する化学反応に必要なエネルギーを太陽光か風力か小規模水力でまかなうのが比較的現実的かと思います。
投稿: masudako | 2007年10月19日 (金) 22時10分